研修医のIです。毎月2回開催されるレジデントセミナー、4月11日のテーマは「保険診療の基礎」でした。

　今回のお話は、この春はじめて本格的な医療を提供できる側になった私には非常に啓発的でした。特に印象的だったのは、医療費は診療報酬点数表が決めている点です。この点数制度によって、患者さんは経済状況に応じて治療を選択できることが強調されました。

　私は以前、相対的貧困率が高い大阪の西成地区の病院見学に行ったことがあります。そこでは保険料を払えず、保険証を持っていない患者さんが日常茶飯事でした。医師たちは毎日、少しでも経済負担の少ない医療を提供できないか頭を悩ませていました。
　当時はなぜ安くしてあげないのか理解できていませんでしたが、今回のセミナーで医療費の背景がよくわかりました。経済状況をはじめとする、ひとりひとり異なる生活背景を持つ患者さんに寄り添った医療を提供できるように、これからも研修に励みたいと思います。